ばあちゃん

性別:♀
年齢:16歳
好きな食べ物:近江の鮒寿司
:来世ではアルトサックスを吹きたい。

ひとこと

いつの間にか「新宿のばば」と慕われるようになった。
実は化け猫ではないかという噂もある。

ばあちゃんの詩

どれ、あんたの肉球を見せてごらん。
ああ、生命球がちょっと青くひび割れているね。

でも、不安になることはないよ。

若い頃は不幸が好きで、

哀しみばかり呼び寄せるものさ。

ワインの雨でも降ってくりゃあ、

気分も変わるんだろうけどね。

まあ、一杯やって、すこしは歌でも歌ってごらん。

ひび割れたからって、なくすわけじゃないんだ。

その、それを、今のそれを

背負って歩いていけばいいんだよ。



どれ、あんたの肉球を見せてごらん。

ああ、感情球がやすりみたいにざらざらじゃないか。
なんか今、つらいことに直面しているんだねえ。

相手はどの雄猫だい?


こればっかりは仕方がないねえ。

出会いと別れを繰り返して、
お前さんは、お前さんは、


お前さんという一匹の猫になるんだ。

あるのは、味わいだけだよ。

幸せも不幸せも、まぼろしさ。



どれ、あんたの肉球を見せてごらん。

ああ、運命球が擦り切れて、

血がにじんでいるじゃないか。

歩くと痛いだろう。

つばでもつけておくかい。

痛くて歩けないときは、

空を飛ぶといいよ。

翼かい?
翼なら、
あんた最初から持っているんだよ。

花園神社のカラスたちとは違って、

透明な、目には見えない翼だよ。

運命と闘うんじゃないよ。

飛んで、空からあんたを見りゃいいんだ。

まだ道が続いているって、わかるだろう。

ああ、お代はメザシ3匹でいいよ。



どれ、あんたの肉球を見せてごらん。


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