うどん

性別:♀
年齢:3歳
好きな食べ物:煮干し
:太陽や月と話す。

ひとこと

あらゆる存在に心があると知っている。目に見えない
ものまで理解しているので、利益のためには動かない。

うどんの詩

あたしはたよりねえんだ。

もしあんたがチェロの奏者だったとして、

いよいよこれから演奏だってときに、

弦がうどんだってことに気付いたら、どうする?

それくらいあたしは信用できねえんだ。

チェロ弾くまねして、口で歌うしかねえ。

それくらいあたしはいい加減なんだ。



あたしは眠るのが好きなんだ。

教会の屋根の上でも、神社の賽銭箱の陰でも、どこだってずっと寝られる。

ゴールデン街の通路でも、西武線の線路脇でも、ずっとずっと夢見てる。

なんの夢だったかってことは、あたしもよくわかってないんだ。

目が覚めたらそこはもう新宿だからね。

新宿も新しい夢みたいなもんだからね。

それくらいあたしは自由なんだ。

昨日までの記憶がいっさいなくなっても、特に困りはしねえ。

それくらいあたしは後ろを振り向かない。



あたしはなにもいらない。

ネズミを見りゃ、とって喰おうと追いかけもするよ。

でも、喰ったところでどうなるんだって、ふと思う。

それくらいあたしは熱意ってもんがないんだ。

その代わり、木漏れ日は好きだねえ。

風が強い日は木漏れ日も揺れる。

じゃらしで遊んでるみたいに、

光と影の踊りのなかで、あたしは有頂天になる。

それくらいあたしはめぐまれている。

今ここで、めぐまれている。


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